１９９９年８月１２日
　美川英二君の逝去の報に接し、驚きと深い悲しみを私達昭和２１年卒業生「千二一会」同志一同が受けました。
　千里山魚伊の社長加藤芳弘君の提案で有志により故人を偲ぶ会を催しました。
　少年時代、千里第二国民学校に在籍した私達は、戦時下という異常な状況の下で過ごした体験上、数多くの想い出を持っております。
　良き時代や、戦争の終わりが近づいた頃は空襲の恐怖から疎開で別れて行く友、逆に疎開で入って来る人で、入れ代わりの激しい学年でした。
　「千二一会」は一旦在籍した人全てが同窓という定めで、卒業後三十年経って同窓会を始めたところ大勢の参加者があり、現在会員数１２３名、名簿も整い、当初は隔年に会を持ちましたが、最近では毎年開催され　旧交を深めて全国から多数懐かしい友が参加されております。
　学校時代に卒業旅行は、大阪が火の海になったために有りませんでした。改めて先生と一緒に伊勢参りの一泊旅行をしたこともあります。故尾高先生が、いちばん集まりが良い学年なので「千二一会」と名付けて下さいました。
　美川英二君も多忙の中よく出席してくれました。子供時代を振り返るえると、彼はまれにみる天性のリーダーシップを持った男で、六年間級長を通し、遊ぶ企画は天才であり、放課後いつも級友を集め、ラクダ山で砂合戦、古池へ泳ぎに出掛け、魚釣りもする。色々の遊びを通じて級友を楽しませてくれました。環境も恵まれていたこともありました。が、彼は明るい性格を持った愛すべきガキ大将で大勢の友に慕われており、それを生涯持ち続け、横河電機の社長在籍のまま他界されたことは残念でなりません。
　同窓の集まりの良いのは、彼が少年時代から現在に至るまで、私達に十分に楽しい想い出を作ってくれたことが、大いに関係していると信じております。
　生涯の友人であり、私達の心の中で永遠に生き続けております。
　心より冥福を祈る次第です。