千里山会HOME 四号目次 会誌TOP 執筆者一覧

日  日

井出(藤川)敏(20回生)

 学び舎の正門の前にしばし佇つ四十五年経し春浅き日に (千里第二小学校)

 錫婚の記念のつどい武田尾へ娘の家族と行くもみじ狩り (長女)

 今朝生れし麒麟は百八十センチ七十キロという息子と同じ体格と知る (長男)

 紫の疋田鹿の子の振袖がわが目にまぶし娘の結納式 (次女)

 「ねぶた」より「竿灯」「花笠」「七夕」と子の帰阪へのみちのり遠し(次男)


【井出 敏氏のご紹介】
氏は大阪狭山市にお住まいの方。母校への熱い想いを一首と四人の子供さんを詠んだ四首を、同期の久保利也氏の推薦により寄稿されました。最後の一首は、北海道へ進学され初めての夏休みを、東北の四大祭を観て帰ってくる次男を詠まれたもの。戦時中大阪市内から疎開で佐井寺に移住。医師の父上は歓迎され地域の方によく尽くされた。六年生のとき父の命で集英小に転校、大手前高、大阪市大家政学部卒、短歌は三十年前から嗜み、三冊の短歌集を上梓されています。

会誌四号目次   執筆者一覧   千里山会HOME