山野先生が逝去されました。

　この訃報の約半年前に、我々「三四年・六年松組」は、四五年振りの同窓会を山野先生を交え開いていました。参加した同窓生の多くはまさしく四五年振りの再会でしたが、この時に山野先生と小学生時代に戻り、楽しく話し会える機会を持たせていただいたことは、「山野先生との出会い」の因縁めいたものを感じざるを得ません。

　もう一つ山野先生との「出会い」があります。
　我々当時、六年松組でキャンプを計画しました。すでに我々は「大人気分」で自分たちだけでの初めての猪名川流域キャンプでした。が、その時山野先生から先生も同行される旨連絡が入りました。我々は少々不満でしたがやむなく了承しキャンプ地に向かいました。
　大雨でしたが楽しい飯盒炊飯も終わり、テントを張り終えた時、山野先生から「テントをもっと川岸より高い位置に張り替える」と指示が出ました。
　皆、まさしく「ブーイング」でしたがやむなく張り替え眠る事となりました。
　朝、起きてみるとまさしく張り替えたテントのすぐ近くまで濁流が押し寄せ、もとのテントの位置は濁流の中でした。もし、あの時我々だけで決行していたら、山野先生がおられなかったら今の我々はいません。

　この話も同窓会で披露されました・その時山野先生は「そうだったね！・そんなこともあったね！」とニコニコされながらお酒を飲まれていました。

　このキャンプの例のように、山野先生は多くを語られる先生ではありませんが、あの大きな背中と、少々出ているお腹で子供たちを温かく見守る
　まさしく我らの「金八先生」でした。
　この同窓会の終わりに、次の同窓会はいつにするか､との話が出ました。
　山野先生、参加者の全員の賛成で、卒業生が還暦を向かえる二〇〇七年に「還暦同窓会」を開く事になっています。
　この同窓会でも山野先生はあのニコニコした笑顔とちょっぴり小さくなったお腹で我々の話の中に戻ってきてもらえる事を楽しみにしています。