新しい世紀を迎えて初めての記念すべき同窓会総会が、２００１年１１月１１日（日）午前１１時、お茶の水にある東京ガーデンパレスに於いて、会員１０９名参集のもと、賑々しく開催されました。前日までの雨模様にはひたすら気を揉んで居たのでしたが、一夜明けると天高く何処までも済みきった素晴らしい青空の秋晴れとなり、幸運を心から喜んだ様な次第でした。平成六年夏の池袋以来今回で八回目の会合になりますが、毎回晴天に恵まれてきたこれまでの経緯を振り返ってみますと、誠に有り難く不思議な気が致してなりません。

　当日は、次に掲げる式次第に従って総会が挙行されました。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　司会　27回生　萩原直大
一、開　会
一、挨　拶　　 　　　　　世話人代表　飯島泰蔵
一、経過報告　　　　　　　　　 総務 柿崎真吾
一、特別講演　　　　　　 三二回生 一井邦敏
一、閉　会

　先ず世話人代表の飯島氏からご挨拶があり、今年に限って幹事会を経ずに総会を迎えるに至ったことに対する、お詫びが申し述べられました。その理由は、母校の旧校舎保存問題が大詰めを迎えた為、その対応に手間取ったことに拠るものだったと云うことでした。この問題は、すでに本会会誌の巻頭言で宮地校長（第三号）や阪口市長（第四号）が述べて居られました様に、図書館の建設と併せて旧校舎を保存しようとする計画だったのです。本年４月になって吹田市が地域懇談会を催しましたが、教育委員会から提示されました原案では、旧木造校舎を一旦取り壊し、鉄骨造り外形木造とした上で、二教室と階段のみを復元するという縮小案になっていたのです。千二小の卒業生（特に樺山翠さん、瀧梢さん）や地元有志の方々から寄せられた完全な形での原型復元を熱望するご意見との間で、双方の対立する議論が沸騰し、当千里山会からも幾度かエールを送ったのでしたが、前後六回に亘って地域懇談会が繰り返された末に、結局時間切れで原案通りに落ち着く結果となって仕舞いました。誠に残念な結果ではありましたが、市の緊迫した財政や諸般の事情を勘案しました上で、了承した次第でした。
　１０月６日、地元の同窓会「ちさと会」が千里阪急ホテルで開催されましたが、昨年よりはやや多い６２名の出席者があり、いとも和やかな集いでした。その中で阪口市長のご挨拶があり、旧校舎保存問題についての詳細な経緯が述べられたましたが、引き続いて同窓生の阿部弘氏（14回生）から、地域懇談会での原型復元を求める審議の模様のご紹介が為されました。関係された方々の想いは多岐に亘っていた模様でしたが、ご苦労を重ねられた関係者の熱意の程に感謝し、一同の了承が得られました。
　次に来春には現役員の改選期を迎えることになりますが、これを機会に人心の一新を図り、本会の更なる飛躍的発展を期したいという意向によりまして、戦後ご卒業の方々にその運営をお任せしたい旨が述べられました。また本会の規約をより充実したものにする目的で、現在その改正案を準備中ですが、これらを含めてご審議戴く為、正月明けに幹事会を開催する予定であるとのことでした。
　また来年の総会は１０月１９日（土）に開催する積もりですので、ご了承下さる様付言されました。
　
　続きまして経過報告に入り、柿崎総務から過去一年間の本会の運営状況について、その概要のご報告を頂きました。また本会の会計収支表についてのご説明があり、徳田監事の監査を受けた結果、遺漏がなかった旨の報告が為されました。

　その後直ちに特別講演に移りました。
　特別講演は毎年のご好評によって今回第四回目を実施することになったものですが、今回は宇宙開発の先端技術者としてご活躍中の32回生一井邦敏氏に、お願い致しました。今年の夏、Ｈ２Ａロケットの打ち上げが久々に成功し、一般の方々のご関心が深いと考えたからです。ご講演は「宙へのあこがれとその探求」と題して、ロケットの歴史に始まり、各国のロケット技術開発競争の現状にも触れられましたが、ロケットが姿勢制御方式の面から、スピン・ロケットと三軸制御ロケットとに大別されることや、打ち上げの為の補助ロケットの装備方法、更には衛星の電源を確保する為の太陽電池パネルの張り方等にも言及され、膨大な高度の先端技術の集積からなるロケット技術の実情を、判りやすく解説して戴きました。
　同時多発テロ事件や世界を巻き込んだ経済大不況など、兎角陰鬱な雰囲気に滅入り勝ちな昨今ですが、大きな夢と希望とを与えるべく宇宙開発に取り組まれている方々に、心からの声援を送りたいと念じつつ、ご講演を伺わせて戴き、好評の中に講演会が終了、総会は閉会となりました。

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